べらぼう第18話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
富本、仁義の馬面
錦絵本『青楼美人合姿鏡』を大枚はたいて作った蔦屋重三郎(演:横浜流星)。でも…全ッ然売れない!高すぎるし、地本問屋たちも冷たいし、まさに在庫の山で破産寸前状態。読者も財布も氷河期かって!
おまけに江戸の本屋たち、「鱗形屋の細見があるから別に~」とサクッと切り捨て。え、冷たすぎて泣いた。でも、蔦重は諦めない!吉原の再生と借金返済のため、なんとか新しい企画を考えねば!
そこに呼び出されたのが、親父たちの寄合い。テーマはなんと「俄祭り!」これは歌舞伎のモノマネ芸から始まったお祭りで、今でいう文化祭的イベント。しかも、女郎屋「大黒屋」の女将・りつ(演:安達祐実)からの追加ミッションで、「富本午之助(演:寛一郎)を呼んでこい」ときた!
この富本午之助、別名「馬面太夫」。見た目はちょい地味(失礼)だけど、富本節のスター。優雅な三味線と語りでファンをトリコにする、言わば"江戸のバラード王"!
蔦重は、りつ&次郎兵衛(演:中村蒼)と一緒に芝居小屋へ。富本節の語りを聴いた瞬間、「天才すぎて鳥肌!」と感動!これはもう俄祭りの目玉にするしかない!
……のだが、富本午之助は「吉原は嫌い」とバッサリ。え、なんで!?と思ったら、タイミング悪く鱗形屋が現れて連れてっちゃうし!そして判明した真相は、「昔、門之助(演:濱尾ノリタカ)と吉原に行ったら、役者立入禁止!で追い出された」から。根が深いトラウマ案件だった!
でも蔦重、ここで諦めない!
「その恨み、全部ひっくり返してやろうじゃん!」と、名誉回復プランを即企画。
店主・大文字屋市兵衛(演:伊藤淳史)を連れて、浄瑠璃界のラスボス・鳥山検校(演:市原隼人)の屋敷へ突撃。そこには、検校の妻となった瀬川(演:小芝風花)の姿も。蔦重、思わず動揺。でも今は富本案件が先!
蔦重は「一度だけ、富本の語りを聴いてください」とお願いするも、検校は「力にはなれん」とお断り。くぅ〜渋い。だが、ここでも蔦重は神ムーブ!
門之助と午之助に偽の手紙で呼び出し → 吉原で花魁たちがサプライズおもてなし → 若木屋の無礼を土下座で謝罪。この一連、蔦重のプレゼン力えぐい!
そして本丸。「芝居小屋に行けない女郎たちに、あなたの富本節を聴かせてやってほしい……」と懇願。すると、花魁や振袖新造たちの純粋な瞳に心打たれた午之助、「俄祭り、出ます」と感動のOK!
さらに鳥山検校から蔦重に届いた文には…「富本午之助の豊前太夫襲名、正式に認める」との一文が!しかも「富本節の直伝も、あんたにやる」との神対応。蔦重、やりすぎィ!感動すぎて嗚咽!
こうして、蔦重、俄祭りに富本太夫を招くことに成功!さらに自ら「富本正本」の制作にも全力投球。江戸の芸能と出版、そして吉原の未来を背負う覚悟が見えてきた。
果たして、俄祭りは成功するのか?富本節は女郎たちの心を救えるのか?
次回、感動の本番編!涙腺崩壊、待ったなし!
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
俄祭り(にわかまつり)
江戸時代、吉原で行われた即興の芝居や仮装行列などを含む祭りで、庶民の娯楽として親しまれました。
遊女や町人たちが即興で演じる「俄(にわか)」と呼ばれる寸劇が特徴で、風刺や滑稽さを交えた内容が多く、人々の笑いを誘いました。
この祭りは、吉原の華やかな文化の一端を示す行事として、江戸の人々に親しまれていました。
富本午之助/馬面太夫(うまづらだゆう)
宝暦4年(1754年)、初代富本豊前太夫の子として江戸に生まれ、初名は富本午之助です。
明和3年(1766年)、13歳で中村座にて初舞台を踏み、明和7年(1770年)には二代目豊志太夫と改名し、本格的に劇場での活動を始めました。
面長の顔立ちから「馬面太夫」とも呼ばれ親しまれ、美声と卓越した技術で富本節を最盛期へと導いた立役者でした。
豊前太夫襲名(ぶぜんだゆうしゅうめい)
富本午之助は、明和7年(1770年)に二代目豊志太夫と改名し、さらに後に二代目富本豊前太夫を襲名しました。
この襲名により、富本節の名声はさらに高まり、江戸の浄瑠璃界で重要な地位を築きました。
彼の襲名は、父の遺志を継ぎ、富本節を発展させる大きな転機となりました。
富本節の直伝(とみもとぶしのじきでん)
富本節は、江戸時代中期に成立した浄瑠璃の一派で、詞章の美しさと節回しの艶やかさが特徴です。
富本午之助(二代目富本豊前太夫)は、富本節の直伝を受け継ぎ、その技術と芸を磨き上げました。
彼の演奏は多くの人々を魅了し、富本節の黄金期を築く原動力となりました。
富本正本(とみもとしょうほん)
富本正本とは、富本節の演目や詞章を記した公式の台本を指します。
これらの正本は、蔦屋重三郎などの版元から出版され、江戸の町人たちにも広く親しまれました。
富本節の普及と保存に大きく貢献した文化的資料です。
大文字屋市兵衛(だいもんじやいちべえ)
江戸時代中期から後期にかけて存在した吉原遊廓の妓楼「大文字屋」の主人で、初代から三代目までが「市兵衛」を名乗りました。
特に初代市兵衛は、倹約家として知られ、女郎たちに安いカボチャばかりを食べさせたことから「カボチャの旦那」とあだ名されました。
その商才と独特の経営哲学で、吉原の遊郭経営において一目置かれる存在でした。