べらぼう第19話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
鱗の置き土産
江戸城でとんでも事件発生!
側室知保の方(演:高梨臨)が毒を飲み、自殺を図ろうとしたのだ。その理由は、将軍徳川家治(演:眞島秀和)が新たに鶴子(演:川添野愛)を迎えたことへの絶望。亡き息子の家基(演:奥智哉)の元へ行きたいって……もう切なすぎて泣いたのだが……
田沼意次(演:渡辺謙)はすかさず反応。「これ、何か裏あるだろ…?」と目がギラリ。いや田沼さん、名探偵かよ!
命をとりとめた知保の方の元を訪れたのは、宝蓮院(演:花總まり)。「薬の加減がちょうどよかった」とサラッと言う知保の方に、宝蓮院は静かに「あなたがどれだけの仕打ちを受けたか、これで伝わったでしょうか?」って、これ…自殺未遂に見せかけた企み!?
一方、町ではまさかの老舗・鱗形屋が店じまい。作家も板木も他の地本問屋にバラ撒かれる流れに。恋川春町(演:岡山天音)は鶴屋喜右衛門(演:風間俊介)に引き取られるけど、「売れる続編書いて♪」vs「新作描きたい!」で大モメ!
そこへ現れたのが我らが蔦屋重三郎(演:横浜流星)。「板木3倍で買うわ、春町くんもこっちおいで♪」って、交渉力エグすぎて笑った!でも周囲の問屋、ブチギレ案件!
そして、春町を心から案じる鱗形屋孫兵衛(演:片岡愛之助)が、なんと蔦重に「うちの春町、引き抜いてくれ」って、まさかのお願い!?これには蔦重も「え、いいの!?」と驚くが、その真剣な想いを受け取って、動く決意を固める。
盟友朋誠堂喜三二(演:尾美としのり)、北尾政演(演:古川雄大)、そして絵師・喜多川歌麿(演:染谷将太)らと共に、春町のための“神アイデア会議”を開催。
歌麿の「文章じゃなく、絵から考えたら?」の一言に蔦重がビビビッ!ときて、「100年先の江戸を描こう!」って、スケールでかすぎて惚れる。
さっそく蔦重&喜三二が春町を訪問。「誰も見たことのない江戸、描いてみませんか?」って、もうプレゼン上手すぎて転職した?
春町もついに覚悟を決め、「耕書堂」で勝負すると決意!
その後、鱗形屋孫兵衛が手渡したのは、明和の大火を焼け残った板木『塩売文太物語』。しかもコレ、蔦重が子どもの頃に買った初めての本!瀬川(演:小芝風花)と読みふけった思い出の一冊に、「これ以上の宝はありません」って、蔦重ガチ泣き。もらい泣き不可避……!
「うちの本を読んでた子が、今は本屋か…」と涙目の孫兵衛。え、もうこの2人、尊すぎて見てられない……!
そして春。喜三二の『見徳一炊夢(みるがとくいっすいのゆめ)』が、南畝(演:桐谷健太)の番付で「極上上吉」に認定!江戸中がザワつく傑作が、ここに爆誕!
果たして、100年先の江戸とは、どんな夢を見せてくれるのか!?
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
知保の方(ちほのかた)
江戸幕府第10代将軍・徳川家治の側室で、後に蓮光院(れんこういん)と号しました。彼女は将軍家治との間に長男・徳川家基をもうけましたが、家基は若くして急逝し、その死には謎が多く残されています。夫・家治の死後、知保の方は出家し、静かな晩年を送りました。
宝蓮院(ほうれんいん)
宝蓮院は、摂関家出身の正室として、田安家の家政や後継問題に深く関与しました。彼女の高貴な出自と教養は、家内外での発言力を高め、特に松平定信の養育において重要な役割を果たしました。
恋川春町(こいかわ はるまち)
江戸時代中期の戯作者で、黄表紙や洒落本などの風刺的な作品を多く手がけました。代表作には『金々先生栄花夢』があり、庶民の生活や風俗をユーモラスに描いて人気を博しました。彼の作品は、当時の社会風刺や風俗を知る上で貴重な資料となっています。
鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)
江戸時代から明治時代にかけて活躍した地本問屋(出版業者)で、蔦屋重三郎と並ぶ存在として知られています。彼は浮世絵や黄表紙などの出版を手がけ、江戸の出版文化を支えました。特に、歌川広重の『東海道五十三次』など、多くの名作を世に送り出しました。
鱗形屋孫兵衛(うろこがたや まごべえ)
江戸時代の地本問屋で、浮世絵や黄表紙の出版を手がけました。彼の店は、蔦屋重三郎や鶴屋喜右衛門と並ぶ存在で、江戸の出版文化に大きく貢献しました。特に、黄表紙の出版に力を入れ、多くの作品を世に送り出しました。
北尾政演(きたお まさのぶ)
江戸時代後期の浮世絵師・戯作者で、山東京伝の名でも知られています。彼は黄表紙や洒落本の作者としても活躍し、江戸の風俗や庶民の生活を描いた作品を多く残しました。また、浮世絵師としても多くの作品を手がけました。
『塩売文太物語』(しおうり ぶんた ものがたり)
江戸時代の赤本(子供向けの絵本)で、塩売りの文太とその家族の物語を描いています。物語は、貧しいながらも正直に生きる文太一家が、さまざまな困難を乗り越えていく姿を描いており、教訓的な内容となっています。
南畝(なんぽ)
江戸時代中期から後期にかけて活躍した戯作者・狂歌師で、本名は大田南畝(おおた なんぽ)です。彼は狂歌や黄表紙、洒落本など、多くの風刺的な作品を手がけ、江戸の庶民文化を代表する人物となりました。また、幕府の役人としても勤務し、文人官僚として知られています。
極上上吉(ごくじょう じょうきち)
江戸時代の役者評判記における最高位の称号で、特に優れた芸を持つ役者に与えられました。「上上吉」よりもさらに上の評価で、当時の芝居界での最高の栄誉とされました。この称号が青本にも適用されたケースですね。