べらぼう第4話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
『雛形若菜』の甘い罠
秋風が吹き始めた1774年、将軍家の名門・田安家で波乱が巻き起こる。田安治察(演:入江甚儀)の急死で、弟の田安賢丸(演:寺田心)に白河松平家への養子話が持ち上がったのだが——。
「絶対イヤだ!」と拒否る田安賢丸。田安家を守るため、松平武元(演:石坂浩二)に助けを求め、大奥のドン高岳(演:冨永愛)を経由し、将軍・徳川家治(演:眞島秀和)へ直談判。おかげで一旦は断れるムードに。
……と思いきや、田沼意次(演:渡辺謙)が出てきて、まさかの“徳川吉宗直筆”の書状を見せる。「後継がいないなら家は断絶」ってマジ!?賢丸、吉宗推しすぎて泣いた! これは断れない……。
しかもその書状、源内(演:安田顕)が偽造したって⁉︎ 田沼の謀略、エグすぎて草。
その頃、蔦屋重三郎(演:横浜流星)のもとには「女郎を描いた錦絵を作ろうぜ!」という話が舞い込む。かつての入銀本『一目千本』がバズったことに味をしめた、吉原の親父たちの企みだ。
ところが今回、入銀は花魁たち自身が払えという無茶ぶりに、彼女たちは大ブーイング。そりゃ怒るわ!
そこで重三郎が天才ムーブを発動。「着物が売れたら、呉服屋が喜ぶよね? じゃあ、女郎に売りたい着物を着せて、その入銀は呉服屋からもらえばよくない?」
蔦重、神かよ!!
タイミングよく、錦絵業界のドン西村屋(演:西村まさ彦)が協力を申し出る。さすが地本問屋の大手、呉服屋たちへの影響力はバツグンで、次々と入銀が集まってくる。
絵師には、美人画のプロ礒田湖龍斎(演:鉄拳)が抜擢。彼が描いた下絵は、まさに芸術!……だったのに、次郎兵衛(演:中村蒼)がうっかり水をぶっかける大失態!
終わった……と思いきや、少年唐丸(演:渡邉斗翔)がなんと、原画そっくりに描き直すという離れ業をやってのける。天才すぎて草。思わず重三郎、唐丸を抱きしめて宣言。
「お前を、当代一の絵師にしてやる!」
このシーン、尊すぎて泣いた。
完成した錦絵は、『雛形若菜初模様』と銘打たれ、吉原の広告革命ここに爆誕!お披露目の場には、西村屋と鱗形屋孫兵衛(演:片岡愛之助)、鶴屋喜右衛門(演:風間俊介)という出版界の大御所まで集結。期待値MAX。
しかし。西村屋から衝撃の一言が放たれる。
「板元は認可された者だけなんで、蔦屋さんが関わってると流通ムリっす!!!」
……は? 蔦重ブチギレ案件。
でも、吉原の未来のためと言われたら、グッと堪えるしかない。「蔦屋重三郎」の名が消えた錦絵。それでも彼の策で、女郎たちは希望を取り戻した——。
その夜、西村屋と鱗形屋が交わす祝杯。「これで、板元は俺たちのものだな」って……え、まさか最初から蔦重を利用!?
これは、陰謀すぎて震えた。
重三郎の想いは、本当に吉原に届いたのか?
そして唐丸の才能は、これからどう花開くのか?
——次回、蔦重の逆襲、始まるか⁉︎
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
松平武元(まつだいらたけもと)
江戸幕府の老中を務めた大名で、時に厳しく、時に粋な人物として知られる。藩政改革や幕政の要職で活躍し、時代を動かした重要人物の一人。家柄は名門で、江戸の権力中枢に深く関わっていた。
大奥のドン高岳(たかおか)
江戸城大奥の実力者で、女性たちの頂点に立つ存在。名前の「高岳(たかおか)」は俗称で、正式な名前は不明だが、絶大な権力を誇った。大奥での立ち回りや人脈作りに長け、将軍家にも強い影響力を持った。
入銀(いりぎん)
江戸時代、商人や役人が権力者への賄賂として渡した金銭のこと。裏金とも呼ばれ、権力を得るための「必要経費」扱いされていた場合も多い。正式な経理には載らず、裏で動く金の流れを指す。
礒田湖龍斎(いそだこりゅうさい)
江戸時代中期の浮世絵師で、美人画や風俗画を得意とした。特に肉筆画の美しさに定評があり、江戸の粋な女性たちの姿を生き生きと描いた。現代では、その繊細な筆致と優雅な作風が再評価されている。
『雛形若菜初模様』(ひながたわかなはつもよう)
江戸時代の流行ファッションをまとめたスタイルブックのようなもの。着物の模様や帯の結び方を紹介し、町娘から大奥の女性まで大人気だった。まさに「江戸版ファッション誌」ともいえる存在。
鱗形屋孫兵衛(うろこがたやまごべえ)
江戸の町で名を馳せた商人で、特に魚問屋として知られた人物。屋号「鱗形屋」は、魚の鱗にちなんだもので、江戸の台所を支えた立役者。商才に長け、人情味あふれる人物としても語り継がれている。
鶴屋喜右衛門(つるやきえもん)
江戸時代の豪商で、芝居小屋や遊郭の経営にも手を出したやり手の商人。文化人たちのパトロンとしても知られ、浮世絵師や歌舞伎役者を支援した。名前の「鶴屋」は屋号で、江戸町人文化の発展に貢献した人物。