歌川広重・名所江戸百景

歌川広重・名所江戸百景

「名所江戸百景」は広重最晩年の作品であり、その死の直前まで制作が続けられた代表作。最終的には完成せず、二代広重の補筆が加わって、「一立斎広重 一世一代 江戸百景」として刊行された。版元は魚屋栄吉。

何気ない江戸の風景であるが、近景と遠景の極端な切り取り方や、俯瞰、鳥瞰などを駆使した視点、またズームアップを多岐にわたって取り入れるなど斬新な構図が多く、視覚的な面白さもさることながら、多版刷りの技術も工夫を重ねて風景浮世絵としての完成度は随一ともいわれている。

その魅力は江戸の人々を魅了し当時のベストセラーとなり、どの絵も1万から1万5千部の後摺りを要したほどだった。反面、多くの後摺りでは色数を減らし、手間のかかるぼかしを省略したため、本来の作品が持つ味わいを損ねることにもなった。
実際に「大はしあたけの夕立」や「亀戸梅屋舗」を模写したゴッホ、「京橋竹河岸」に触発され『青と金のノクターン-オールド・バターシー・ブリッジ』を描いたホイッスラーをはじめ、日本的な「ジャポニスム」の代表作として西洋の画家に多大な影響を与えたシリーズでもある。

江戸は安政2年(1854年)の安政の大地震で被害を受けており、名所江戸百景は災害からの復興を祈念した世直しの意図もあった点が指摘されている。

(ウィキメディア)

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