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べらぼう第40話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
その名は写楽
写楽の正体には諸説あるけれど、大河ドラマ「べらぼう」が採用するのは、蔦屋重三郎(演:横浜流星)を中心に歌麿(演:染谷将太)らが仕掛けた“集団写楽説”。
「突然の天才降臨!」ではなく「天才を爆誕させたチームの物語」。もうこの設定だけで胸がドキドキした。
そんな蔦重は、三浦庄司(演:原田泰造)から松平定信(演:井上祐貴)の恐ろしくも面倒な依頼を受ける羽目に。「源内生存説を広めろ!」と言われ、「いやいやオレ利用されてない?」と全力拒否する蔦重。しかし定信の圧、強すぎて草。
そこへ、てい(演:橋本愛)が爆弾発言。
「ならいっそ、蔦屋重三郎らしくふざけ倒す大騒ぎを起こしましょう!」ときた。彼女の天才すぎる提案に、蔦重も思わず「それだ!」と膝を打つ勢い。供養と復讐を“お祭りでやる”って発想、さすが蔦重、神かよ。
重田七郎貞一(演:井上芳雄)に浄瑠璃を書かせる算段もつき、いざ芝居町へ。
だが1793年、歌舞伎三座は倹約令でボロボロ。町全体が沈んだ空気に包まれる中、蔦屋は長谷川平蔵宣以(演:中村隼人)と仙太(演:岩男海史)に遭遇。悪名高い“葵小僧”の衣装が芝居の衣裳屋で仕立てられたと聞き、「大崎(演:映美くらら)が絡んでる?」と一気にきな臭さ倍増。
一方、市川門之助(演:濱尾ノリタカ)は「曽我祭やろうぜ!」と景気のいい提案。これに蔦重の脳内で電撃が走る。「源内が描いた噂をつけた蘭画風役者絵を出せば、江戸中が踊り出す!」と、もうお祭りスイッチ全開。
絵師も戯作者も狂歌師も集めて作戦会議……
…………
重田貞一(演:井上芳雄)らが「やろうぜ!」と盛り上がるが、蔦重は「アイツら口軽そうで怖い」とヒヤヒヤ。それでも勢いは止まらず、朋誠堂喜三二(演:尾美としのり)の“しゃらくさい”をヒントに、画号はついに「写楽」に決定。ネーミングの瞬間の高揚感がすごい!
資金は松平定信からドンと出て、もはやプロジェクト写楽は国家級イベントに。しかし蔦重の“ざっくり指示”がざっくりすぎて、絵師たちは混乱。「写楽ってどんな絵なんだよ!」とツッコミ続出で草。
その頃、一橋治済(演:生田斗真)の元へ、逃げ隠れていた大崎が奉公を申し出る展開も発生。裏では権力と陰謀がうごめき、表ではアートの革命が進む、この二重構造が激アツ。
そして――ここで来たのが、ていの神ムーブ。歌麿の自宅を訪れ、完璧に彩色した『歌撰恋之部』を差し出し、「これは蔦重からの恋文です」と爆速ストレート勝負。歌麿も「そんな本気で来られたら返すしかないじゃん…」と心を揺さぶられ、ついにタッグ復活へ。
2人の情と業がぶつかり合って生まれる“写楽”。
果たして、天才たちが仕掛ける写楽プロジェクトは江戸をどこまで揺らすのか?
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
写楽は誰?
東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)は、1794年に突然あらわれ、約10か月だけ活動して姿を消した謎の浮世絵師です。正体については諸説あり、今も決定的な答えはありません。
【写楽の主な3つの説】
- 阿波の能役者・斎藤十郎兵衛説
写楽の筆致に“能役者の目線”があるとして、能役者だった斎藤十郎兵衛が写楽ではないかとする説です。もっとも古くから語られています。 - 大田南畝(蜀山人)など文人説
表現のユーモア性や風刺性が南畝の作風と似ていることから、文人・狂歌師グループが関わったのではという説です。 - 蔦屋重三郎を中心とした「集団説」
蔦屋が絵師・戯作者・彫師らをまとめ、プロジェクトとして“写楽”を作ったという見方です。作風の多様さや制作スピードから、複数人が関わったという説が有力視されています(北斎も加わった可能性ありとする研究者もいます)。
大崎
大崎(おおさき)は徳川家斉の元乳母で、一橋治済の子・家斉から深い信頼を得ていた女性です。ドラマでは、一橋治済から離れるように尼寺へ身を寄せていましたが、安全を求めて一橋家に戻る決断をします。
また、劇中では家基が「毒の手袋」で殺害された可能性が示され、その実行に大崎が関わったのではという犯人説が語られます。
そして今回の流れから、「治済が我が子・家斉を将軍にするため、大崎を利用したのではないか」という疑問(真相)が浮かび上がります。
一橋治済(ひとつばし はるさだ)
徳川家斉の父で、一橋家の実力者です。将軍家への発言力を強めるため、家斉に多くの子をもうけさせようとするなど、政治的に強い欲を持つ人物として描かれます。
江戸後期の権力争いを語る上で欠かせない存在で、松平定信との対立でも知られています。
三浦庄司(みうら しょうじ)
蔦屋重三郎に“源内生存説”を伝えた人物です。彼の話が物語を大きく動かすきっかけとなり、松平定信が蔦屋を巻き込む理由にもなっています。
劇中では、蔦屋が巻き込まれる一連の騒動に、火種を落とした人物といえます。
重田七郎貞一(しげた しちろう さだいち)
のちの十返舎一九として知られる人物です。ドラマでは、蔦屋を助けて浄瑠璃本を作るなど、創作の仲間として登場します。
江戸の人気作家だけあり、明るい性格で場を盛り上げる“チーム写楽”のムードメーカー的存在です。
市川門之助(いちかわ もんのすけ)
歌舞伎役者で、芝居町の盛り上げ役のひとりです。曽我祭を開催しようと提案するなど、沈んだ芝居町に活気を取り戻そうと奔走します。
蔦屋が“写楽プロジェクト”を思いつくきっかけにもなる人物で、芝居町側の重要ポジションを担います。
『歌撰恋之部』(かせん こいのべ)
喜多川歌麿が手がけた美人画シリーズです。恋の情念や男女の心のやりとりを官能的かつ品よく描いた作品として知られています。
ドラマでは、ていが完璧に彩色した『歌撰恋之部』を歌麿に届けることで、蔦屋と歌麿の“タッグ復活”を決定づける重要アイテムとして描かれます。
