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誰袖、何ヶ月ぶり?

べらぼう第29話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~

江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)

蔦屋重三郎(演:横浜流星)の出版魂、今週も火を吹いてます!

あの伝説の黄表紙『金々先生栄華夢』、まさかの二代目プロジェクト始動!?
蔦重が作家陣に見せたのは、手ぬぐいの男の絵。これがなかなかのインパクト。そこへ鶴屋(演:風間俊介)がズバリ提案。

「これ、二代目金々先生ってことでどうでしょう」

おぉぉ!天才すぎて草ァ!
まさかの北尾政演(=山東京伝 演:古川雄大)に白羽の矢が。しかも春町の旧作と組み合わせて売れば、旧作の版元である鶴屋も笑いが止まらないという仕組み。商売うますぎて感心!

でも当の政演、責任の重さにガチで悩む……けど、引き受けたーッ!!

一方その頃、物騒なニュースが江戸を直撃。なんと、松前家の裏帳簿を命がけで持ち帰ったのは、平秩東作(演:木村了)。その証拠が、ついに幕府に蝦夷地召し上げの口実を与える!

田沼意次(演:渡辺謙)、ここで大号令。「直ちに上げ知を願い出る上書をしたためよ!」……って、え、もう攻め込む気満々やん!?

一橋治済(演:生田斗真)は、松前道廣(演:えなりかずき)の助けを求める手紙をシュッと投げ捨て、情も何もあったもんじゃない。冷酷すぎて逆に清々しい……!

そして、二代目プロジェクト、いざ試し読み!
出来上がった政演の原稿、恋川春町(演:岡山天音)は絶賛だけど、大田南畝(演:桐谷健太)は渋い顔。「うーん、上々吉…『極』は…つけられぬな

てい(演:橋本愛)や小田新之助(演:井之脇海)も冷静にツッコミ。リアルじゃないとか、江戸っ子に響かないとか、バッサリ。

ここで蔦重、まさかのダメ出し!
政演、さすがにブチッときて、執筆拒否!!! えー?神回に泥ぬる気かよぉぉ〜!

でも……鶴屋が一言。「この絵、ちょっと佐野様に似てません?」。言われてみれば確かに。真面目で苦労人だった佐野政言(演:矢本悠馬)。

でもそれじゃ読者は笑えないってことで、方向転換!苦労ゼロのバカ旦那に設定変更!
鰻屋での作戦会議で、蔦重&歌麿(演:染谷将太)チームが新キャラ爆誕させました。

その名も——「仇気屋艶二郎(あだきやえんじろう)」!売名行為に命かけるバカ金持ち!リアルにモテる政演の経験もぶち込んで、秋にはついに完成✨

黄表紙名——『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』!読んでるだけで香ばしいタイトル、天才か!!

艶二郎の「浮名になりたいだけ」の恋に、誰袖(演:福原遥)も思わずクスっとする。
本気で笑ったの、何ヶ月ぶり……?

それを見た蔦重のひとこと。「こんなもんで気が済むわきゃねえと思うけど、人を呪うのは止めにしねえか?
うわーーー!これは仇討ちじゃなくて、魂の癒しやぁ——。

でも、誰袖はまだ闇の中。「死ねないのでありんすよ、兄さん…」

そこへ季節外れの桜が一枚、はらり。
意知(演:宮沢氷魚)が許したように感じられた」って、演出エモすぎて泣いた!!

そして時は天明5年正月。『江戸生艶気樺焼』、売れに売れました!!

だけどその裏で、蝦夷地上知をめぐる田沼vs一橋の攻防も、いよいよクライマックスへ。

笑いと涙の仇討ち黄表紙、爆誕!!
果たして、田沼と一橋、勝つのはどっちだ!?
そして、誰袖の心は…?

次回、「絶対に見逃せない」展開くるぞ!


時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。

べらぼう[用語解説]

平秩東作(へつつとうさく)と松前家の裏帳簿

平秩東作は、蝦夷地(現在の北海道)をめぐる政治的な陰謀の渦中にいた、実在の人物をモデルにした架空のキャラクターです。
ドラマ『べらぼう』では、蝦夷地を支配する松前家が不正に関与していた証拠――つまり「裏帳簿」を手に入れ、命がけで江戸へ戻ってきます。

この裏帳簿には、松前藩が本来支払うべき年貢や、交易の不正、隠された収入など、幕府にとっては大問題となる情報がぎっしり。
東作は、その帳簿を幕府に提出することで、蝦夷地を松前家から取り上げ、幕府直轄地に変える口実(大義名分)を与えたのです。

その背景には、田沼意次の息子・意知の提案があったとされ、まさに「命と引き換えに得た政治的カード」とも言える重要アイテムでした。

北尾政演

北尾政演(きたおまさのぶ)は、のちに「山東京伝(さんとう きょうでん)」と名乗り、江戸時代を代表する黄表紙(きびょうし)作家・洒落本作家として名を馳せた実在の人物です。

劇中では、蔦屋重三郎にスカウトされて、伝説のベストセラー『金々先生栄華夢』の二代目シリーズを書くことに!
しかし、物語の内容が今の時代に合っていないと批判を受け、苦悩しながらも、自身の経験や発想を活かして斬新な作品を作り上げます。

実際の山東京伝も、当時の風俗や江戸っ子の笑いを巧みに取り入れた作風で知られており、黄表紙文学の金字塔的存在。
『べらぼう』では、政演の若き日の創作への情熱と苦悩がリアルに描かれています。

『金々先生栄華夢(きんきんせんせい えいがのゆめ)』

江戸時代の黄表紙(今でいう風刺マンガ+コント台本)界で大ヒットした、爆笑文学の金字塔!
作者は恋川春町で、1775年ごろに鱗形屋(書店)から出版されました。

物語の主人公・金々先生は、学問もなく中身はスカスカなのに、お金だけで名声を買い、地位や人脈を手に入れていくという、いわば“虚飾で武装したお調子者”。
当時の学者や役人、金持ちたちの見栄や堕落を、笑いと皮肉たっぷりに描いた一冊です。

タイトルの「栄華夢」とは、「一時的な成功も所詮は夢のように儚い」という意味で、見た目ばかり追いかける人生のむなしさを、ギャグで包んで伝えてくれます。

『べらぼう』ではこの作品をリスペクトし、「二代目金々先生」企画として、北尾政演(山東京伝)が続編を任されるストーリーに発展。
一作大ヒットすれば、旧作や作者の他の作品も売れる!という書店ならではの戦略もからみ、出版バトルのリアルさも感じられます。

『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』

江戸の笑いと風刺がギュッと詰まった、山東京伝の出世作にして超話題作!
1785年(天明5年)に出版され、黄表紙(きびょうし/今でいうコミカルな小説+風刺漫画)の代表作として知られています。

タイトルの『艶気樺焼(うわきのかばやき)』は、「浮気(うわき)」と「蒲焼(かばやき)」をかけた洒落
江戸前のウナギのように香ばしく、恋も欲も焼き尽くすようなドタバタ劇を、笑いと皮肉たっぷりに描いています。

物語の主人公は、「仇気屋艶二郎(あだきや えんじろう)」という色男気取りの成金ボンボン
見た目はイマイチなのに、“浮名”を流す(モテてるように見られたい)ためだけに吉原の花魁にちょっかいを出します。
しかも本気の恋じゃない!噂されたいだけ!

あの手この手で「間夫(まぶ)=愛人役」を演じようとしますが、ことごとく失敗!
見栄っ張りな江戸っ子の“イタさ”と“哀しさ”を、爆笑と共に描く滑稽本です。