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べらぼう第42話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
招かれざる客
オロシャ(ロシア)の船が日本にやってきた!
その報せに、老中・松平定信(演:井上祐貴)の眉間のシワが深くなる。
「通商だと?冗談じゃない!」
周囲の老中たちが「まあまあ…」とおろおろする中、定信はズバッと一言。
「ならば、松前の当主、隠居を申し付けてしまえ。」冷徹すぎて鳥肌!でもやることのスケールが違う…恐るべし白河の殿様。
その頃、蔦屋重三郎(演:横浜流星)は尾張で商談中。
永楽屋東四郎(演:佃典彦)と手を組み、新しい風を吹かせようとしていた。
が、江戸では母つよ(演:高岡早紀)がひっそりと息を引き取っていた……。
知らせを受けた蔦重、まさに魂が抜ける瞬間。
泣く間もなく、駿河屋市右衛門(演:高橋克実)やりつ(演:安達祐実)らに囲まれながら、彼は新しい挑戦を口にする。
「江戸の女の美しさを絵にして残したい」——それが、後に江戸を席巻する“美人画ブーム”の幕開けだった!
そんな折、定信がまたもブチギレ。
光格天皇が父へ“太上天皇”の尊号を贈ろうとした件に「幕府の金は一文たりとも出さん!」と激怒。
朝廷との関係、完全に冷戦モード。
……なのに一橋治済(演:生田斗真)は浮世絵の看板娘に夢中で草。だが、底が知れぬ怖さを醸し出す!
さて、蔦重の元では喜多川歌麿(演:染谷将太)が絶好調。
「難波屋のおきた」「高島屋のおひさ」「豊ひな」——看板娘の美人画が江戸中で大ヒット!
でも注文が殺到しすぎて大ピンチ。
そこへ蔦重が“悪魔的アドバイス”。「弟子に描かせりゃいい。仕上げと名入れはお前だ。」
ズルいけど天才すぎて草。彼の論理がまた名言。
「お前の絵で江戸が回り出してんだ!」……蔦重、江戸の経済を見通して神かよ!
一方、てい(演:橋本愛)が妊娠。
「お口巾着で」なんて茶目っ気たっぷりに報告する姿が可愛すぎて泣いた!
蔦重とていは、亡き母・つよの“生まれ変わり”と信じる——このシーン、尊すぎて尊死レベル!
だが、そこへ不穏な波が押し寄せる……蔦重と知る由もなし。
西村屋与八(演:西村まさ彦)と二代目万次郎(演:中村莟玉)が登場。
「歌磨先生、蔦屋の元にいていいんですか?」
……やめて〜!そんなこと言わないで〜
でも確かに、歌麿の絵には蔦重の印がデカデカと。「都合よく使われてませんかね?」の一言が刺さる。
葛藤する歌麿。友情と野心の狭間で、胸がギュッ。
そして、最大の嵐。定信が「美人大首絵」にブチギレ第2弾!
「女郎以外の名を入れるな!」というお触れを出す。おいおい、江戸の楽しみ全部消す気!?
これで蔦重と歌麿の間に亀裂が。
悪の化身か!はたまた、欲の塊か!
蔦重は女郎絵を入銀なしの50枚で借金返済を企て、歌麿は「俺は売り物じゃねえ!」とブチギレ!
でも、蔦重とていと子どものために承諾。心はもう蔦重離れ必至!切なすぎて泣ける……。
最後、歌麿が決意の一言を呟く「この仕事が終わったら、蔦重とは終わりにします。」
静かな夜、筆先が震える。
芸術の炎が、友情を焼き尽くす瞬間——。果たして、二人の絆は再び交わるのか?
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
定信「女郎以外の名を入れるな!」というお触れの影響
このお触れは、老中・松平定信が寛政の改革の一環として出した出版統制令です。
当時、歌麿の「美人大首絵」が江戸で大ブーム。
町娘や看板娘が“江戸のアイドル”となり、彼女たちが関わる店の商品は2倍、3倍、時には10倍の値で売れることもありました。
この熱狂が“美人経済”を生み、着物や化粧品が高騰。結果として物価の上昇と浪費の拡大を招き、庶民の暮らしを圧迫しました。
定信はこれを風紀の乱れとみなし、「女郎(遊女)以外の女性の名を浮世絵に入れるな」と厳しく禁じたのです。
この規制により、歌麿や蔦重は作品の改題や販売停止に追い込まれました。
定信の狙いは贅沢を抑え、物価を安定させることでしたが、結果的に江戸の華やかな文化を一時的に冷え込ませることとなりました。
それでも、制約の中で生まれた絵は今も「江戸文化の粋」として語り継がれています。
蔦重の借金返済
蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の借金には、実は幼い頃からの深い因縁がありました。
彼の父は博打で多額の借金を作り、家族を連れて江戸から逃亡。
母・つよは、借金が息子に及ぶことを恐れ、蔦重(幼名:柯理)を吉原の引手茶屋「駿河屋」に預けます。
そして世間には「両親が色に狂って子を捨てた」と偽りの理由を流しました。
それは蔦重を守るための、母の苦渋の決断でした。
こうして彼は幼くして吉原で育ち、商人の世界を肌で覚えていきます。
しかし、父の残した借金は消えることなく、成長した蔦重が引き継ぐ形となりました。
出版業を始めた後も、その返済は常に彼の人生に影を落とします。
やがて、定信の「女郎以外の名を入れるな」というお触れで、美人画が規制されると、蔦重は人気商品を失い、店は経済的に追い詰められます。
そんな中で彼は、吉原の主人たちに「女郎絵」を50枚作る契約を結び、借金返済に充てるという苦渋の決断を下します。
この「借金返済のための女郎絵制作」は、歌麿の誇りと信念を削る行為でもありました。
また、妻ていとの子供と従業員を守るためでもあったのです。。
蔦重と歌麿の決別の歴史的真相は?
ドラマでは劇的に描かれていますが、実際の史実でも、蔦重と歌麿は後に袂を分かったとされています。
その背景には、いくつかの説があります。
一つは、お触れによる出版規制での方針の違い。
蔦重は商人として生き残るため「女郎絵」に転じようとしましたが、歌麿は「一人ひとりの女性を心で描きたい」と芸術の信念を貫きました。
この価値観のすれ違いが、二人の絆に亀裂を生んだといわれます。
もう一つは、蔦重の死。
彼は1797年に急逝しており、歌麿はその後も蔦屋版の作品を出し続けたものの、やがて独立して活動を始めます。
つまり、“決別”というよりも、時代と運命に引き裂かれた二人だったのかもしれません。
江戸の文化を動かしたこの二人の関係は、今なお“出版と芸術の理想をめぐるドラマ”として語り継がれています。
![[べらぼう第41話あらすじ]<br>母つよの愛は深かった!蔦重と歌麿のすれ違う心…](https://5orb.net/wp/wp-content/uploads/2025/10/berabo-41-300x200.jpg)