べらぼう第23話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
我こそは江戸一利者なり
田沼意知(演:宮沢氷魚)から持ちかけられた、蝦夷地を天領にする極秘計画。蔦屋重三郎(演:横浜流星)は、一度は協力を求められながらも、毅然と「断る」の一手。
田沼意知は「誰にも言うなよ、花魁のためにも」と含みのある台詞。え?それってつまり……?と、蔦重の脳内に浮かぶのは、誰袖(演:福原遥)の存在。花魁もまさかの“関係者”だったとは!
一方で、蔦重が手がけた狂歌指南書『浜のきさご』が、書店からバカ売れ!「江戸一の利き者」の名をほしいままに。ヒットメーカーすぎて草。
その頃、田沼意次(演:渡辺謙)は権力のド真ん中。息子・意知を奏者番に抜擢し、磐石の体制!
土山宗次郎(演:栁俊太郎)ら田沼派の宴は狂歌と豪華さが爆発!そこに呼ばれた大田南畝(演:桐谷健太)までノリノリで句会三昧。
蔦重もまた、この土山から「日本橋に店、出さね?」と耳元で甘言を囁かれ、内心ちょっとグラッ。まるで夢が叶う“打ち出の小槌”みたいな話じゃん……そりゃ揺れるよ!
でも現実は厳しい。西村屋(演:西村まさ彦)が売ってる花魁錦絵『雛形若菜』の販促で、駿河屋市右衛門(演:高橋克実)が蔦重を呼び出し、ガチ営業トーク開始。
けど蔦重は、自分が出してる『青楼名君自筆集』を推したい気持ちもあり、ここで譲らず。これはビジネスの仁義なき戦い!
「吉原があっての蔦屋だろうがッ!」と、駿河屋がついにブチギレ。そして出たよ恒例行事!怒りのままに、蔦重を階段からドーン。
でも蔦重、信念まったくブレず!どんだけ漢(おとこ)なの!?
むしろ逆に、「吉原の名を全国に轟かせる、それこそが最大の恩返しだ」と、まっすぐド正論ぶちかます!
りつ(演:安達祐実)に「勝算あるの?」と問われれば、蔦重は自信満々に答える。「俺には、歌麿(演:染谷将太)も、喜三二(演:尾美としのり)も、春町(演:岡山天音)もいる!日本一の仲間たちが支えてくれる!」
……って、最高の布陣すぎて、呆れるほど納得!
でも、誰袖のこと、田沼意知の計画、日本橋進出、吉原との恩……いろんなものを天秤にかけて、揺れ動く蔦重の胸中は穏やかじゃないはず。
果たして、蔦重が選ぶ未来とは?
江戸の風雲、ますます激化——次回、見逃し厳禁!
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
土山宗次郎(つちやま・そうじろう)
田沼意次の懐刀として登場する実在の人物。もとは商人で、抜群の才覚と人脈で成り上がり、政商(政治と結びついた実業家)として名を馳せました。
ドラマでは、大田南畝と一緒に狂歌の会を開いたり、蔦重に「店を持たせてやろうか」と甘い誘いをかけるなど、何かと裏の交渉を仕掛ける男。表では遊び人風、裏では策士という、胡散臭くも魅力的なキャラです。
『浜のきさご』
1783年に耕書堂から出版された、狂歌の作り方や楽しみ方を指南する入門書。狂歌とは、風刺やユーモアを交えて詠まれる短歌のようなもので、当時の江戸庶民に大人気。『浜のきさご』は特に爆発的ヒットとなり、これで蔦重は「江戸一の利き者」とまで評されるように!
江戸一の利き者(ききもの)
「利き者」とは、流行に敏感でセンスのある人物のこと。今でいえば「トレンドプロデューサー」や「インフルエンサー」に近い存在。蔦屋重三郎は、その抜群の目利き力で人気作家や絵師を見出し、ヒットを連発。その実績から「江戸一(=江戸で一番)の利き者」と称されたのです。時代の寵児ってやつですね!
奏者番(そうしゃばん)
江戸幕府の役職の一つで、将軍に拝謁する大名や旗本の取り次ぎを担当するポジション。形式ばった儀式の進行を仕切る「司会進行役」みたいなものですが、将軍のすぐ近くで働くので、信頼と格式が求められるエリート職。田沼意知がこの役に抜擢されたことで、田沼家の権力の強さが一気に可視化されたシーンでもあります。
『青楼名君自筆集(せいろう・めいくん・じひつしゅう)』
吉原の花魁(高級遊女)たちの自筆の文字や言葉を集めた豪華な錦絵本。美しい装丁に加え、花魁たちの気風や教養が垣間見える内容で、ファン垂涎の一冊。蔦重が手がけたこの本は、花魁を描いた『雛形若菜』に対抗する作品として登場し、「どっちが売れるか?」で一悶着起きるわけです。まさに吉原を舞台にした出版バトル!