べらぼう第24話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
灰の雨降る日本橋
日本橋進出を目論む蔦谷重三郎(演:横浜流星)に、大阪の書物問屋・柏原屋(演:川畑泰史)から「丸屋を買わない?」と打診が。
が、買ったはいいけど、吉原者は江戸市中の屋敷を購入できない問題が!
ここで登場、秘密兵器・須原屋(演:里見浩太朗)!
松前家の抜け荷の証拠となる絵図を持ち込み、田沼意知(演:宮沢氷魚)に切り札を見せて取引に出る。交換条件は2つ——蝦夷地での商い許可&日本橋進出サポート!
1783年5月9日(天明3年4月9日)浅間山が大噴火!
江戸中に「灰、灰、また灰!」。みんなが混乱するなか、蔦重は大荷物担いで「これは恵みの灰だろ!」と日本橋へ突撃。
店の前で、丸屋の主人てい(演:橋本愛)に「この店、俺のっス。共に守りません?」とドヤ顔で証文を見せるが、てい、スルー。使用人のみの吉(演:中川翼)に「戸、閉めて」って、つれない仕打ち!
それでもめげない蔦重、屋根に登り、女郎の古着を一枚一枚かぶせて灰ガード。古帯で樋を巻いて防御完了。もうこの人って、屋根の守り神かよ!
その姿に触発された鶴屋(演:風間俊介)、村田屋(演:松田洋治)も布かけ参戦。江戸の町に屋根ファッション旋風が巻き起こる。
蔦重、さらに灰溜め桶まで商品化⁉︎ 商魂エグすぎて草!
夜、ていが中に準備していた洗い桶とおむすび。蔦重、ていの神対応に、思わず嬉し涙……!
一方、大文字屋では意知がせっせと灰を処理。誰袖(演:福原 遥)はその姿に乙女のまなざし♡
でも、意知が女郎わかなみ(演:玉田志織)と楽しげに会話してると——「その方、わっちの色でありんす!」取っ組み合いの修羅場きたーーーーー!
が、意知はそんなドタバタのあと、狂歌で本気の告白。「西行は花の下で死にたい、俺は袖の下で死にたい」って、ロマンチック天才かよ!
翌朝、奉行所から「灰、早よ捨てろ」と通達。
蔦重「右と左でチーム戦にしません?」
「遊びじゃねえ!」と村田屋に、「だからこそ遊びにすんでしょ!」と返す蔦重、天才すぎて草。
そして、蔦重賞金10両!鶴屋も25両で対抗!
最後、蔦重が桶2つ持って川に飛び込み……溺れた!?「誰か助けてくれるかと…」「べらぼうか!」。思わず、笑ってしまう鶴屋!
蔦重「今、笑いましたね?」
鶴屋「私は、いつだって、にこやかです」
勝負は引き分け→宴会で町中大笑い!
宴会抜け出す蔦重、日本橋の“たな”をめぐるプロポーズ作戦、再び!
てい「蔦重さんは『陶朱公』という人物はご存知ですか?越の武将だった范蠡(はんれい)です」
「では、女将さん、陶朱公の女房になりませんか?私、人付き合いしか能がないけど、夫婦になっていい店にしましょう」……真摯すぎて泣ける!
しかしガーン!「私、明日出家します」
とはいえ、「形だけの夫婦」としての祝言が。緊張しすぎてカチコチな蔦重と、美しすぎるてい。
そこへ現れる鶴屋からの通油町の暖簾に、通油町公認の証を得た蔦重——灰降って地固まる。
1783年(天明3年)9月、ついに——ついに「蔦屋耕書堂」、日本橋にオープン!
でもこの二人、本当に“形だけ”のままで終わるのか?
そして、誰袖と意知の恋の行方は⁉️
次回、ますます見逃せない展開に突入です!
べらぼう[用語解説]
吉原者は江戸市中の屋敷を購入できない問題
吉原で生まれ育った人や商売していた者たちは、江戸の町人社会では“正業の外”と見なされ、特に武家地や町人地の不動産取得に制限がありました。
吉原者が「本町」で商売するには、後ろ盾(口利き)や特別な許可が必要でした。蔦重もこの“出自”が壁になり、日本橋への出店に一苦労。
浅間山が大噴火
1783年(天明3年)、長野と群馬の境にある活火山・浅間山が大噴火。火砕流と泥流により信濃国・上野国で甚大な被害を出し、死者2万人超とも言われます。江戸にも火山灰が降り注ぎ、黒い雨のような不気味な風景が広がったとか。蔦重はその灰すら商機に変えてしまう!
西行は花の下で死にたい
平安末期の僧・西行は、歌と旅を愛し自然に溶け込むような人生を送りました。
有名な辞世の句が――
「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ」
(桜の下で春に死にたい、それも旧暦2月15日=満月の頃)
ロマンチックすぎて現代にもファン多し。ドラマではこの句をなぞり、意知が誰袖に想いを告白。
陶朱公(とうしゅこう)
范蠡(はんれい)のこと。春秋戦国時代の賢人で、越の名将として活躍後、商人に転身。幾度も巨万の富を築きながら身を引き、理想的な引き際と才覚の象徴として語られます。「陶朱公」はその雅号(あざな)。
ていはこの人物に蔦重を重ね、尊敬と愛情をにじませます。
日本橋「蔦屋耕書堂」
江戸・日本橋通油町に開かれた蔦重の書肆(しょし・本屋)。1783年創業。洒落本・黄表紙の出版で一世を風靡し、のちに写楽・北斎・歌麿らの絵師を世に送り出す拠点となります。
「耕書」は“本を耕す=知を育てる”意。ていの言葉「本は子どもたちの手に渡って使命を果たす」と深く重なります。