べらぼう第22話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
小生、酒上不埒にて
筆を折った男に、屁で和解!? 江戸の文壇、今日も平常運転です。
蔦屋重三郎(演:横浜流星)は、筆を折った恋川春町(演:岡山天音)のもとを訪ねます。狙いはもちろん、朋誠堂喜三二の新作の画付け依頼。けれど、春町の反応は——超塩対応!
なにせ、先日の宴で泥酔した春町。北尾政演(演:古川雄大)が自分の作品をパクったと大炎上して、口撃、しかも思わずオナラして……。そのまま、筆を折り「もう書かない」と退場したんだから、まあ無理もない。
それでも諦めない蔦重、ガチ説得開始!だが春町は「自分にはもう描く資格がない」と、心のシャッターをガラガラ閉める……。
そこへ救世主コンビ登場。喜多川歌麿(演:染谷将太)&朋誠堂喜三二(演:尾美としのり)が、春町に頭を下げに来た!蔦重の命で、春町風の絵を描こうとしてる歌麿。ちゃんと許可を取りに来るところ、律儀すぎて泣いた!
そんな2人に囲まれ、春町、ついに本音をポロリ。「政演の本『御存商売物(ごぞんじのしょうばいもの)』は、(俺の『辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)』より)100倍よくできてたわ……」って、そこ認めるんかい!
「筆、折らんといて!」と涙の訴えに、春町も笑顔に。そして、蔦重の新企画の吉原を題材にした普及漢字本『廓𦽳費字盡(さとのばかむらむだじづくし)』を書くため、取材までしちゃう、どこまで真面目なんだ、春町!そして、蔦重、新しい筆をそっと春町に渡す。蔦重の優しさ、ホント心に沁る……
迎えた年の瀬。蔦重プレゼンツ謝恩忘年会が開催!本年のヒット作を出した作家たちが勢揃い。大田南畝(演:桐谷健太)の青本や元木網(演:ジェームス小野田)の狂歌の指南書など数多くの本の中、春町の『廓𦽳費字盡』もその中に!
そこへ政演が登場。「この『廓𦽳費字盡』、おもろいで!」と絶賛。春町、頭をペコリ。まさかの和解回!
しかも、春町「続きはあなたが書いて」とオファー出し!?……って、先日まで盗人呼ばわりしてたの誰やねん!!
テンション爆上がりの春町は、三味線に合わせて“オナラ芸”まで披露。まさかの屁芸リターンズ、キターーーーーー!!
これには全員ノリノリで、「屁」でまたまた宴は大盛り上がり——。
(こはる、今週もまた「屁」で終わりかよ〜〜〜〜と。突っ込みそうになりましたが、さすがNHKさんでした)
忘年会が終わったその足で、蔦重たちは大文字屋へ。そこで待っていたのは、あの謎の男・花雲助=田沼意知(演:宮沢氷魚)!
ついに意知が蔦重に正体を明かすと、始まるガチトーンの密談。「蝦夷地を天領にして、江戸幕府を盤石に!」その大計画に、蔦重を勧誘しはじめる意知……。
笑いの忘年会から一転、ラスト数分で急展開すぎて震えた!
果たして蔦重は、この国家規模の企みに加担するのか?
次回、江戸の風向きが大きく変わる——予感!
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
『辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)』
恋川春町(こいかわ・はるまち)が手がけた、言葉の応酬をテーマにした戯作。タイトルは、辞(ことば)で闘う戦いの“新しいネタ(根)”という意味で、まるでラップバトルの江戸版!といった趣。
巧妙な言葉遊びや風刺のセンスが光るものの、春町本人は「今思えば、あれは子供だましだった」とやや後悔気味。
この作品が、北尾政演の『御存商売物』に“ネタを盗まれたのでは?”と感じる発端となり、あの涙とおならの酒宴へとつながる――。
『御存商売物(ごぞんじのしょうばいもの)』
江戸の町人たちの暮らしや商売を面白おかしく描いた人気の戯作(げさく)=娯楽読み物。作者は北尾政演(きたお・まさのぶ)。当時の読者にとっては「あるある〜!」が詰まった内容で、庶民のリアルが笑いと風刺を交えてテンポよく描かれているのが魅力。
大田南畝(おおた・なんぽ)による戯作ランキングでも堂々の1等入選!これがきっかけで、春町との間に…まさかの「おなら事件」が勃発した。
『廓𦽳費字盡(さとのばかむらむだじづくし)』
恋川春町が吉原取材の末に仕上げた、笑って学べる“漢字の教科書”風戯作。
「廓(くるわ)=吉原」や「𦽳費(ばかむら)=バカバカしい無駄づかい」など、やたらに難しい漢字を並べて、その意味を吉原での珍騒動を通して紹介。つまり、大人の世界を舞台にした“無駄に漢字が多すぎる”風刺絵本のような一冊。
とはいえ、中身は実に真面目で細やか。春町らしい知的かつユーモラスな視点が光り、読み応え十分。
蔦重の企画で出版され、政演からも「これは面白い!」と太鼓判をもらう一冊に。