べらぼう第9話あらすじ~蔦重栄華乃夢噺~
玉菊燈籠恋の地獄
「身請けするかもしれない……」——そんなウワサを背負って吉原にやってきたのは、盲目の大富豪・鳥山検校(演:市原隼人)。お金は桁違い、権力も絶大、その上プレゼント攻撃まで…スペック高すぎてため息!
そんな中、「吉原と手を切る」と市中の問屋たちが宣言。つまり、『吉原細見』はもう売らせないよ?」ってこと。え、待って、販売網が壊滅って地獄じゃん!蔦屋重三郎(演:横浜流星)、これには顔面蒼白!
さらに耳に飛び込んできたのは「鳥山検校が瀬川(演:小芝風花)を身請けするかも」という噂。
えぇぇ!? 蔦重が感情爆発。「吉原から瀬川が消えたら、お客来なくなる!」「鳥山検校はあくどい金儲け野郎!」と、瀬川に土下座までぶちかまし、まさかの愛の告白タイム突入。
瀬川も戸惑いつつも、「この人と未来を見たい!」と思ったのか、身請け話はきっぱり断ると宣言。え、1400両だよ!? でも、「断ったら自分の価値が上がる」っていう発想が、花魁すぎて悲しい。
だが、甘くはないのが吉原のリアル。松葉屋半左衛門(演:正名僕蔵)と女将のいね(演:水野美紀)は警戒MAXで監視開始。2人は会うのをやめ、文(ふみ)を貸本に挟んで気持ちを伝え合う、ウブさ100%の恋文交換スタート。ウブさ、いや、健気すぎて泣いた…!
しかし、いね姐さんの目は誤魔化せず。「こっちは5人付けるからヨロシク」と、地獄の客付けスケジュールを瀬川に押し付け、鬼モード発動! さらに隣室で蔦重にその行為を見させるというメンタル、怖すぎて草。
蔦重、返す言葉もなく撃沈……。だが諦めない男・蔦重、吉原の行事「玉菊燈籠」で女性客が入れることを逆手に、通行切手で瀬川を逃がす作戦を立案! その方法を文に仕込んで貸本と一緒にお届け。…って、作戦映画かよ!?
けれど、そんな天才ムーブも崩壊へ一直線。小田新之助(演:井之脇海)と女郎のうつせみ(演:小野花梨)が同じ方法で足抜けを試みて、見事に失敗。新之助はボコボコ、うつせみは折檻、闇が深すぎる!
いねは瀬川に静かに語る。「ここは地獄。でも、花魁の名を背負う者は、希望を見せる背中で勝負すべき」……え、まさかの魂に響く女将モード。怖いだけじゃなかった、ラスボス感すごすぎて誰も逆らえん!
そんな言葉を受けた瀬川は、通行切手入りの貸本を蔦重に返し、「この話をしてくれたこと、一生忘れない!」と告げて去る……。うそでしょ……やっぱり鳥山検校の身請けを受けちゃうの……切なすぎて、泣けた!
果たしてこの恋の行方は?そして、瀬川が選ぶ未来とは——?
次回、涙なしでは見られません!!
時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。
べらぼう[用語解説]
身請け料1400両
江戸時代、吉原の花魁・五代目瀬川が高利貸しの鳥山検校に1,400両で身請けされたことが話題となりました。当時としては破格の金額であり、吉原中を騒がせた大事件でした。
この金額は、現在の価値で約1億4,000万円に相当するとされています。
女将のいね
吉原の老舗妓楼「松葉屋」の女将で、元花魁としての経験を活かし、店の経営を支えました。
若い遊女たちの教育にも熱心で、特に五代目瀬川(花の井)にとっては良き師であり母のような存在でした。
その人柄と手腕で、松葉屋の黄金時代を築く立役者となりました。
松葉屋半左衛門
吉原の名妓楼「松葉屋」の主人で、代々「半左衛門」を襲名し、遊郭の経営にあたりました。
五代目瀬川をはじめとする名花魁を輩出し、店の名声を高めました。
その財力と影響力から、吉原の顔役として町の決め事にも関与する重要な立場にありました。
玉菊燈籠(たまぎくとうろう)
江戸時代中期、吉原の遊女・玉菊の死を悼み、茶屋や妓楼が軒先に燈籠を掲げたことから始まった追善行事です。
この風習は「玉菊燈籠」と呼ばれ、吉原の年中行事として定着しました。
怪談『牡丹燈籠』は、三遊亭圓朝が創作した落語の演目であり、明代中国の怪異小説『剪灯新话』の「牡丹灯记」を原作としています。
物語では、亡霊が毎晩牡丹の灯籠を手にして現れるという描写があり、これは「玉菊燈籠」の風習を連想させます。
このように、実際の風習と物語の要素が結びつき、江戸時代の人々にとっては、現実と怪談が交錯する世界観が形成されました。
通行切手
江戸時代、関所を通過する際に必要とされた通行許可証で、身分や目的地を記した「通行手形」とも呼ばれました。
特に吉原では、遊女の逃亡を防ぐため、出入りの際に「通行切手」の提示が求められました。
この制度により、遊郭の管理と治安維持が図られていました。