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花魁か、男か?源内を誘惑する"瀬川"の夜!

吉原細見『嗚呼御江戸』

べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~2話

やってくれるわね、蔦屋重三郎(演:横浜流星)!
吉原の立て直しに燃える彼が注目したのは、年2回発行される『吉原細見』の序文。
読んだだけで、吉原に行きたくなるような“序”を書かせたい!
唐丸(演:渡邉斗翔)にそう熱く語る姿、まさに情熱の火の玉よ!

一方、動き出したのは我らがクールな火付盗賊改方、長谷川平蔵(演:中村隼人)。
向かった先は、気になる花魁・花の井(演:小芝風花)のもと。
顔合わせ初会(しょかい)は、花魁が口を利かぬしきたり。

でもこの男、黙って見ていられない!
やおら立ち上がり、「紙花(かみばな)」をザバーッ!!
舞い散る祝儀の懐紙に、花の井がふっと微笑む──その瞬間、平蔵の胸に火が灯るのでした♡

その頃、江戸の町では歯磨き粉『漱石香(そうせきこう)』が爆売れ中!
宣伝文句を考案したのが、あの奇才にして変人、平賀源内(演:安田顕)。
この男に“序”を書かせればバズる!」と確信した重三郎は、出版元鱗形屋の主、鱗形屋孫兵衛(演:片岡愛之助)を訪ねる。
答えはシンプル、「自分で源内から取ってこい」。やるじゃないの、愛之助さん

源内を探して町をさまよう重三郎が再会したのは、かつて便所で出会った謎の男・貧家銭内(ひんかぜにない)。
吉原で遊ばせてくれたら、源内に会わせてやる」──胡散臭すぎるけど、乗っちゃうのが蔦屋流。

銭内が案内された松葉屋では、「瀬川を呼べ」と堂々指名。けれど、いま瀬川という名の花魁はいないとのこと。
それでも宴は始まり、芸者や幇間たちに囲まれて、銭内はご機嫌。
でも油断するな、こいつただ者じゃないのよ…!

案の定、話が源内に及ぶと急に態度が変わる銭内。
源内が“序”を書くとは限らぬ。代わりに“天女のような女”を連れてこい
……どういうこっちゃ!

完全に騙された!!」と怒り心頭の重三郎。
「あの宴のツケ、払わせてやる!」と松葉屋の主・松葉屋半左衛門(演:正名僕蔵)に相談しに行くと、なんと座敷から聞こえるのは、「源内先生〜」の声!!

慌てて戻ってみると──銭内こそが平賀源内本人だった!

驚愕の事実に固まる重三郎を前に、源内はニヤリと笑いながらこう言うのです。
「序文が欲しいなら…君が“花魁”になってみないか?」
え?横浜流星の花魁姿?視聴者が先にキャーよ!!

しかしそこへ颯爽と現れたのが、男装姿の花の井。
“瀬川”とは花魁ではなく、亡き女形・瀬川菊之丞(せがわきくのじょう)──ならば、私が“瀬川”になりましょう」と、まさかの名乗り!

源内も納得し、こうして重三郎はついに念願の“序”をゲット!

鱗形屋に持ち帰り、「今の細見は、廃れた吉原の傷ばかりが目立つ。
もっと“今”を写した、新しい吉原細見を作りたい!」と熱弁。
孫兵衛もついに首を縦に振り、新たな情報をかき集め、誕生したのが──その名も細見嗚呼御江戸(さいけんああおえど)』!!

一方、物語は江戸城内へ──

一橋治済(演:生田斗真)の嫡男・豊千代の誕生を祝う宴では、
治済が人形師に扮し、田沼意次(演:渡辺謙)が黒子役という、なんともシュールな演出!

集まったのは御三卿の顔ぶれ。
その場で田安賢丸(演:寺田心)がピシャリ!「武家が励むべきは、学問と武芸!」と、ぐうの音も出ない正論。
その姿に感服したのは老中・松平武元(演:石坂浩二)。
一方、田沼意次は「いやはや、右近将監様の見識には頭が下がります」と、おべんちゃら返し。

でもね…二人とも目が笑ってないのよ!
政治の場でも火花バチバチの駆け引き劇場、開幕よ!


時代を超えて江戸を伝える語り部
時代屋こはる
江戸の粋と人情に恋した「時代屋こはる」。ドラマの情景を鮮やかに描き、笑いと涙を織り交ぜながら、今に蘇る歴史の物語を語り継ぐ。時にツッコミ、時に胸アツな筆さばきが自慢。歴史好きの皆さまに「そう来たか!」と言わせる快作に挑戦中。

べらぼう[用語解説]

  • 吉原細見(よしわらさいけん)
    吉原遊郭に関するガイドブック。遊女の名前や格、茶屋、料金などが掲載され、遊興の目安として利用された。代表的なものに『江戸吉原細見』があり、遊郭文化の資料としても貴重。
  • 細見嗚呼御江戸(さいけんああおえど)
    江戸時代に出版された江戸の観光ガイドブック。町並みや名所、商店の情報が詳述され、庶民からも人気があった。絵入りで視覚的にも楽しめる内容。
  • 瀬川菊之丞(せがわきくのじょう)
    江戸時代の名女形(おんながた)で、歌舞伎役者として絶大な人気を誇った。美しい所作と艶やかな演技で評判を集め、後世の女形にも大きな影響を与えた。
  • 花魁・瀬川(おいらん・せがわ)
    吉原の遊女で、特に名を馳せた花魁のひとり。江戸時代の遊女は身分が厳格に区別されており、その中でも花魁は最上位に位置し、気品や教養、美貌が求められた。瀬川もその格式にふさわしい振る舞いと才知で名を馳せ、多くの文人や武士を魅了したとされる。
  • 一橋治済(ひとつばしはるさだ)
    江戸幕府第8代将軍・徳川吉宗の孫で、一橋徳川家の当主。将軍候補として一時注目されるが、将軍にはならず、一橋家の発展に尽力。
  • 松平武元(まつだいらたけもと)
    江戸時代中期の大名で、主に幕府の要職を歴任した。幕政の改革や領国経営で手腕を発揮し、家名を支えた人物。