昭和の初期にその一部が紹介されたのみで、その後所在不明とされていた勝川春章の幻の名品が、このほどついに発見された。まさに浮世絵肉筆春画史上、画期的な喜ばしい「事件」といえるだろう。今回、以前より明らかになっていた二図もあわせて復刻することができた。
一幅あたりの寸法が天地48センチ、左右70センチという比類なき雄大なスケール。しかも、その作者は美人画の名手として名高い春章。門人の北斎に多大な影響を与えた春章の、油の乗り切った安永期の作品。絹本に肉筆で細密に描き込まれた筆致、彩色の保存のよさ、まさしく春画史上、いや浮世絵史上屈指の名品といえよう。
序文の筆者は馬場存義。江戸座の有力俳人であり、大名家にも出入りする文化人。その存義が名家・紀州徳川家の依頼を受けて、春章に描かせたものがこの図巻である。この秋フィンランドで開催される国際春画展の大きな目玉として、世界中の浮世絵愛好家の間ではやくも話題沸騰だ。
再現したのは、美術印刷の世界で最先端をゆく『日本写真印刷』。一本一本の筆使いや濃淡まじえた彩色を高精細度の印刷で再現。まるで、春章の息づかいがきこえてくるようだ。まさしく浮世絵愛好家の期待を裏切らない。
セット価格 216,000円(税込)
監修◆学習院大学教授
小林 忠
執筆◆出光美術館
内藤正人
仕様
復元肉質浮世絵[序文1枚・絵11枚]
画寸法=原寸大[天地480mm×左右700mm]
各二つ折りタトウ入り
印刷
特殊オフセット6色印刷
解説書
大型和綴じ本
専用箱
布製豪華帙箱
輸送用段ボールケース付
解説書.pdf(205K)
16P(写真は4・5ページ目)
どんな春画が収録されているか!