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描かれた「わらい」と「こわい」展
─ 春画・妖怪画の世界 ─

「春画」といえば、あるいは「妖怪画」といえば、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。人の性を描くもの、異形や怪異を描くもの。一見、この二つは全く異なるものとみなされるかもしれません。
しかし、春画や妖怪画をながめていると「わらい」と「こわい」という言葉が浮かび上がってきます。
性を誇張して描き出す春画には思わず笑みをこぼしてしまうこともあります。また時に春画は人の死をためらいなく描き、見ている者に「性」とは「死」とは何かを突きつけます。
それは妖怪画についてもいえるでしょう。人々を怖がらせる鬼や幽霊も、人と同じように振る舞って笑いを誘う妖怪も多様な「妖怪画」の登場人物たちです。
「わらい」と「こわい」は相反するもののように思えますが、それらは表裏というよりは隣り合わせに存在するようにも思われます。人は自分の理解、知識、常識の範疇から大きく外れたものに出会った時、思わずわらってしまったり、あるいは恐怖を覚えたりするのではないでしょうか。

磯田湖竜斎「俳諧女夫まねへもん九」
磯田湖竜斎「俳諧女夫まねへもん九」
小さくなって、人の閨(ねや)を除く。まあ、人間の欲望でしょうか。でも、そんなに他人の交わりを見たいと思いますか?見るより、自分でやる方がよほど良いと思いますが。こういうちっちゃな人になって、交わりを笑っているのですね。
でも、このいうアイデアを考えた絵師・磯田湖竜斎はすごいですね。小さくなって悪人をやっつける「アントンマン」や病気治療「ミクロの決死圏」などありましたが、こういう発想は映画にも、SFにもないですね。
鈴木春信「風流座敷八景」
鈴木春信「風流座敷八景」
これも「覗く」をテーマにしています。覗く方が良いのか?覗かれると燃えるのか?それにしても、覗いている女はオボコ娘のような顔の表情です。
初代歌川豊国『絵本開中鏡』
初代歌川豊国『絵本開中鏡』
私は、こういう骸骨とか、死人を抱くのは好きではありません。
英一蝶「妖怪絵巻」(部分)
英一蝶「妖怪絵巻」(部分)
はなぶさ いっちょう。日本の江戸時代中期(元禄期)の画家、芸人。
会場:細見美術館
会期:2018年10月16日(火)~12月9日(日)
※展示替有り・再入場不可
 1期:10月16日(火)~10月28日(日) 
 2期:10月30日(火)~11月11日(日)
 3期:11月13日(火)~11月25日(日)
 4期:11月27日(火)~12月9日(日)
開館時間
午前10時~午後6時(毎週土曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の60分前まで
休館日 : 月曜日
入館料 : 1,500円(団体:1,400円)
※障がい者の方は、障がい者手帳などのご提示でご優待
 (一般:1,500円→1,400円)
※18歳未満は入館不可