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歌川広重・名所江戸百景

歌川広重の「名所江戸百景」は、最晩年に制作された代表作で、二代広重によって補筆され完成しました。

この作品は江戸の風景を斬新な構図や視点で描き、視覚的に非常に魅力的であり、多版刷りの技術が駆使された浮世絵として高い完成度を誇ります。

江戸の人々に愛され、当時のベストセラーとなり、1万部以上の後摺りが行われましたが、その際には色数や技術が簡略化され、元の作品の味わいが失われることもありました。

また、西洋の画家ゴッホやホイッスラーにも影響を与え、日本的な「ジャポニスム」の代表作とされています。

歌川広重・名所江戸百景の7つの特徴

1. 大胆な構図

広重は近景と遠景を極端に対比させる構図や、俯瞰や鳥瞰の視点を駆使した斬新な構図を多用しました。これにより、視覚的なインパクトが強く、観る者を引き込む力があります。

例えば、「大はしあたけの夕立」では、橋の上の人々と背景の雷雨を対比させています。

2. 豊かな色彩

広重の作品は色彩が豊かで、特に「ヒロシゲブルー」と呼ばれる独特の青色が有名です。この青色は、澄んだ空や水の色を表現するために使われ、作品に清涼感を与えています。

また、季節や時間帯に応じた色使いも巧みで、自然の美しさを引き立てています。

3. 季節感の表現

『名所江戸百景』は四季折々の風景を描いており、春の桜、夏の花火、秋の紅葉、冬の雪景色など、季節ごとの風物詩が豊かに表現されています。

これにより、江戸の四季の移ろいを感じることができます。

4. 江戸の名所を網羅

このシリーズは扉1点と江戸の内外の名所118点を描いており、当時の江戸の風景を広く網羅しています。

名所だけでなく、庶民の生活や風俗も描かれており、江戸の文化や社会を知る貴重な資料となっています。

5. 遠近感の表現

広重は手前のものを大きく、遠景を小さく描くことで、遠近感を強調しています。これにより、画面に奥行きが生まれ、立体感が増します。例えば、「亀戸梅屋舗」では、手前の梅の木と遠くの風景が対比されています。

6. 江戸の生活と風物詩

広重は江戸の町に暮らす人々の生活や風物詩を鮮やかに描き、当時の江戸の活気と賑わいを表現しています。市場の賑わいや祭りの様子、日常の風景などが生き生きと描かれています。

7. 国際的な影響

『名所江戸百景』は西洋の画家たちにも大きな影響を与えました。ゴッホやホイッスラーなどが広重の作品に触発され、ジャポニスムの代表作として知られています。これにより、広重の名は世界的に広まりました。

歌川広重・名所江戸百景[浮世絵・118点]を鑑賞する!

1-日本橋雪晴 (春の部)

2-霞かせき (春の部)

3-山下町日比谷さくら田 (春の部)

4-永代橋佃しま (春の部)

5-両ごく回向院元柳橋 (春の部)

6-馬喰町初音の馬場 (春の部)

7-大てんま町木綿店 (春の部)

8-する賀てふ (春の部)

9-筋違内八つ小路 (春の部)

10-神田明神曙之景 (春の部)

11-上野清水堂不忍ノ池 (春の部)

12-上野山した (春の部)

13-下谷廣小路 (春の部)

14-日暮里寺院の林泉 (春の部)

15-日暮里諏訪の台 (春の部)

16-千駄木團子坂花屋敷 (春の部)

17-飛鳥山北の眺望 (春の部)

18-王子稲荷の社 (春の部)

19-王子音無川 堰堤世俗大瀧ト唱 (春の部)

20-川口のわたし善光寺 (春の部)

21-芝愛宕山 (春の部)

22-広尾ふる川 (春の部)

23-目黒千代か池 (春の部)

24-目黒新冨士 (春の部)

25-目黒元不二 (春の部)

26-八景坂鎧掛松 (春の部)

27-蒲田の梅園 (春の部)

28-品川御殿やま (春の部)

29-砂むら元八まん (春の部)

30-亀戸梅屋舗 (春の部)

31-吾嬬の森連理の梓 (春の部)

32-柳しま (春の部)

33-四ツ木通用水引ふね (春の部)

34-真乳山山谷堀夜景 (春の部)

35-隅田川水神の森眞崎 (春の部)

36-真崎辺より水神の森内川関屋の里を見る図 (春の部)

37-墨田河橋場の渡かわら竈 (春の部)

38-廓中東雲 (春の部)

39-吾妻橋金龍山遠望 (春の部)

40-せき口上水端 はせを庵椿やま (春の部)

41-市ヶ谷八幡 (春の部)

42-玉川堤の花 (春の部)

43-日本橋江戸ばし (夏の部)

44-日本橋通一丁目略図 (夏の部)

45-鎧の渡し小網町 (夏の部)

46-昌平橋聖堂神田川 (夏の部)

47-王子不動之瀧 (夏の部)

48-赤坂桐畑 (夏の部)

49-増上寺塔赤羽根 (夏の部)

50-佃しま住吉乃祭 (夏の部)

51-深川萬年橋 (夏の部)

52-大はしあたけの夕立 (夏の部)

53-両国橋大川ばた (夏の部)

54-浅草川首尾の松御厩河岸 (夏の部)

55-駒形堂吾嬬橋 (夏の部)

56-堀切の花菖蒲 (夏の部)

57-亀戸天神境内 (夏の部)

58-逆井のわたし (夏の部)

59-深川八まん山ひらき (夏の部)

60-中川口 (夏の部)

61-利根川ばらばらまつ (夏の部)

61-利根川ばらばらまつ (夏の部)

62-八ツ見のはし (夏の部)

63-水道橋駿河台 (夏の部)

64-角筈熊野 十二社 俗称十二そう (夏の部)

65-糀町一丁目山王祭ねり込 (夏の部)

66-外桜田弁慶堀糀町 (夏の部)

67-三つまたわかれの渕 (夏の部)

68-浅草川大川端宮戸川 (夏の部)

69-綾瀬川鐘か渕 (夏の部)

70-五百羅漢さゞゐ堂 (夏の部)

71-深川三十三間堂 (夏の部)

72-はねたのわたし弁天の社 (夏の部)

73-市中繁栄七夕祭 (秋の部)

74-大傅馬町こふく店 (秋の部)

75-神田紺屋町 (秋の部)

76-京橋竹がし (秋の部)

77-砲洲稲荷橋湊神社 (秋の部)

78-鉄砲洲築地門跡 (秋の部)

79-芝神明増上寺 (秋の部)

80-金杉橋芝浦 (秋の部)

81-高輪うしまち (秋の部)

82-月の岬 (秋の部)

83-品川すさき (秋の部)

84-目黒爺々が茶屋 (秋の部)

85紀の国坂赤坂溜池遠景 (秋の部)

86-四ッ谷内藤新宿 (秋の部)

87-井の頭の池弁天の社 (秋の部)

88-王子瀧の川 (秋の部)

89-上野山内月のまつ (秋の部)

90-猿わか町よるの景 (秋の部)

91-請地秋葉の境内 (秋の部)

92-木母寺内川御前栽畑 (秋の部)

93-にい宿のわたし (秋の部)

94-真間の紅葉 手古那の社継はし (秋の部)

95-鴻の台とね川風景 (秋の部)

96-堀江ねこざね (秋の部)

97-小奈木川五本まつ (秋の部)

98-両国花火 (秋の部)

99-浅草金龍山 (冬の部)

100-よし原日本堤 (冬の部)

101-浅草田圃酉の町詣 (冬の部)

102-蓑輪金杉三河しま (冬の部)

103-千住の大はし (冬の部)

104-小梅堤 (冬の部)

105-御厩河岸 (冬の部)

106-深川木場 (冬の部)

107-深川洲崎十万坪 (冬の部)

108-芝うらの風景 (冬の部)

109-南品川鮫洲海岸 (冬の部)

110-千束の池袈裟懸松 (冬の部)

111-目黒太鼓橋夕日の岡 (冬の部)

112-愛宕下薮小路 (冬の部)

113-虎の門外あふひ坂 (冬の部)

114-びくにはし雪中 (冬の部)

115-高田の馬場 (冬の部)

116-高田姿見のはし 俤の橋砂利場 (冬の部)

117-湯しま天神坂上眺望 (冬の部)

118-王子装束えの木 大晦日の狐火 (冬の部)

歌川広重・名所江戸百景[浮世絵・118点]まとめ

広重の「名所江戸百景」は、斬新な構図や豊かな色彩、季節感の表現が特徴です。

大胆な遠近法や俯瞰、鳥瞰の視点を駆使し、観る者を引き込む強い視覚的インパクトを与えます。

特に「ヒロシゲブルー」と称される青色が、作品に清涼感をもたらしています。

また、江戸の名所や庶民の生活を網羅し、四季折々の風景が描かれたこの作品は、当時の文化や社会を知る貴重な資料です。

さらにゴッホやホイッスラーにも影響を与え、国際的に評価されています。