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日本橋 (朝之景) 保永堂版

歌川広重の「東海道五十三次」は、江戸時代の日本を象徴する浮世絵シリーズとして、広く知られています。

本シリーズは広重が1832年に東海道を旅した後に制作され、53点ではなく全56点の作品から成り立っています。

これらの作品は、美しい風景描写や旅情あふれる場面、巧妙な遠近法、四季折々の自然、そして江戸時代の社会や文化を鮮やかに映し出しています。

広重の作品は、当時の人々に旅のロマンを提供し、今なお多くの人々の心を魅了し続けています。

歌川広重「東海道五十三次」全56点ある理由

タイトルには「五十三次」とあるため53点と誤解されがちですが、実際には53の宿場に加え、日本橋と京師・三条大橋、広重の死絵が含まれています。

歌川広重の「東海道五十三次」は、彼による浮世絵木版画の連作です。1832年に東海道を初めて旅した後に制作されたといわれています。

東海道は、将軍の居所である江戸と、天皇の居所である京都を結ぶ道で、日本の大動脈でした。江戸時代の五街道の中でも、最も重要な街道とされていました。

五街道は、将軍を中心とした国家支配を強化する目的で江戸時代に整備されたものです。

『東海道五十三次』保永堂版は、広重の作品の中でも最も有名で、当時最も売れた浮世絵木版画とされています。

葛飾北斎の『富嶽三十六景』シリーズとともに、名勝を描き、浮世絵に名所絵(風景画)のジャンルを確立しました。

これらの名所絵には西洋の構成表現が取り入れられ、それが日本風に昇華されることで、新しい芸術表現の可能性を生み出しました。

広重の『東海道五十三次』シリーズは、日本だけでなく、後に西洋美術にも影響を与えました。

歌川広重「東海道五十三次」の5つ魅力

歌川広重の「東海道五十三次」は、日本の美しい風景や文化を描いた浮世絵作品集として高く評価されています。その魅力を5つ挙げてみましょう。

  1. 旅情あふれる風景描写
    各宿場町や周辺の自然風景を、旅の情緒と共に描写しています。広重の作品を通じて、江戸時代の東海道を旅している気分を味わうことができます。
  2. 独特のパースペクティブ
    広重の作品は、遠近法を巧みに使うことで、視覚的に印象深い構図を作り出しています。この独特の視点が、観る者を作品の中に引き込みます。
  3. 生き生きとした人々の生活
    各絵には市井の人々や旅行者、商人など、江戸時代の日常生活が生き生きと描かれています。彼らの動きや表情から、当時の生活文化を学ぶことができます。
  4. 四季折々の自然描写
    季節ごとの風景が丁寧に描かれ、その時々の自然の美しさや雰囲気を感じることができます。春の桜や冬の雪景色など、多彩な自然の描写が魅力です。
  5. 文化と地理の学びの場
    - 東海道の地理や文化に触れることができる点も魅力です。それぞれの宿場や名所がどのような場所だったのか、絵を通じて興味深く知ることができます。

歌川広重「東海道五十三次」全56点観賞の旅に出発!

それでは、歌川広重「東海道五十三次」全53点観賞の旅に出発しましょう。おおっと、53点ではなく56点でした!

日本橋 (朝之景) 保永堂版

1. 品川 (日之出)

2. 川崎 (六郷渡舟)

3. 神奈川 (台之景)

4. 保土ヶ谷 (新町橋)

5. 戸塚 (元町別道)

6. 藤澤 (遊行寺)

7. 平塚 (縄手道)

8. 大磯 (虎ヶ雨)

9. 小田原 (酒匂川)

10. 箱根 (湖水図)

11. 三島 (朝霧)

12. 沼津 (黄昏)

13. 原 (朝之富士)

14. 吉原 (左富士)

15. 蒲原 (夜之雪)

16. 由井 (薩捶峠)

17. 興津 (興津川)

18. 江尻 (三保遠望)

19. 府中 (安倍川)

20. 鞠子 (名物茶店)

21. 岡部 (宇津之谷峠)

22. 藤枝 (人馬継立)

23. 嶋田 (大井川駿岸)

24. 金谷 (大井川遠岸)

25. 日坂 (佐夜ノ中山)

26. 掛川 (秋葉山遠望)

27. 袋井 (出茶屋ノ図)

28. 見附 (天竜川図)

29. 浜松 (冬枯ノ図)

30. 舞阪 (今切真景)

31. 荒井 (渡舟ノ図)

32. 白須賀 (汐見阪図)

33. 二川 (猿ヶ馬場)

34. 吉田 (豊川橋)

35. 御油 (旅人留女)

36. 赤坂 (旅舎招婦ノ図)

37. 藤川 (棒鼻ノ図)

38. 岡崎 (矢作之橋)

39. 地鯉鮒 (首夏馬市)

40. 鳴海 (名物有松絞)

41. 宮 (熱田神事)

42. 桑名 (七里渡口)

43. 四日市 (三重川)

44. 石薬師 (石薬師寺)

45. 庄野 (白雨)

46. 亀山 (雪晴)

47. 関 (本陣早立)

48. 坂之下 (筆捨嶺)

49. 土山 (春之雨)

50. 水口 (名物干瓢)

51. 石部 (目川ノ里)

52. 草津 (名物立場)

53. 大津 (走井茶店)

京師 (三条大橋)

広重の死絵(3代豊国筆、安政5年1858年)広重の死絵3代豊国筆、安政5年1858年)

歌川広重「東海道五十三次」に全56点[まとめ]

広重の「東海道五十三次」は、単なる風景画を超えて、当時の日本の文化や生活を深く知ることができる貴重な作品群です。

その魅力は、旅情感あふれる描写や独自の視点、日常生活の生き生きとした表現、そして日本の四季を感じさせる自然描写にあります。

このシリーズを通じて、映像とは異なる視覚的な物語が紡がれ、多くの人々に鑑賞の喜びを提供してきました。

広重の絵画は歴史的にも芸術的にも重要な意味を持ち、西洋美術にも多大な影響を与え続けています。

ぜひ、広重の描いた世界を旅する気持ちで楽しんでください。